Bike便

k1200r-1バイクに跨がった。もう1月以上も放置プレーが続いていたのでバッテリーが心配だ。取り回しに思った以上に息が上がる。250キロオーバーの車体も慣れていれば何てことはないのだが、こう久しぶりだと予想外のところに力が必要になる。まだ歳のせいにはしたくない。
「ふっ、世話かけやがる」とつぶやきながらセルを回す。多少のもたつき感はあったが、いつもの鼓動が始まる。メットのシールドを下ろし、ローに入れる。スロットを開けるといっきに冷たい空気が首元を通り抜ける。幾度となくシフトチェンジをし、コーナーを曲がる度に感覚が蘇りだす。こ、これだ!!!ロケンロールだ!!!いざ聖地へ!!!

コーナーを曲がり橋を渡るともうそこは旅の終わり、楽しい時間の過ぎるのは早い….サイドスタンドを蹴り出しメットを外す。タンクに軽くタッチし労をねぎらう。ふと視線を上げると至高のサウンドに気付いた仲間が私を待っていた。

爆走の目的はバンド仲間に楽譜の配達….通称「魂のバイク便」….仕事ではないぞ….ロック的奉仕活動だ。
帰り際に「事故しないように帰りなよ」「はい!」と言って聖地を後にした。往復1時間….ロックなライディングだった。