Xotic Stereo X-Blender (1)

Xoticから発売されたばかりのMixier [Stereo X-Blender]について何回かに分けてのレビューである。量産型の通常ラインではなしにCustom Shop製品となっている。現在他に[BB Preamp with Mid-boost Knob][AC Booster with compression modes switch][Robotalk-RI]等がラインナップされている。

運良く試奏が出来たのでいろいろ実験をした。まずはStereo X-Blender(以下SX-Blender)のご説明。

筐体サイズW38mm×D92mm×H40mm 470g。
写真のように背面にMain Input 1、Send1-Return(R,L)、Send2-Return(R,L)、Send3-Return(R,L)、そして筐体左サイドにMain Out Put-R,L のジャックが付いている。スイッチはReturn1用のon/offとReturn2用の合計2つ。Effect可変用のコントロールツマミはこれもReturn1用とReturn2用の合計2つ。Return1,2ともに1(原音):nの比率でエフェクトをコントロール出来る。Return3にはon/offつまみやエフェクトの割合をコントロールするツマミはついていない。またこちらは接続すると常時50:50でエフェクトがかかる。
元祖X-Blenderとは違いさまざまな機能を省き的を絞り、グレードアップしたStero Mixerになっている。小型ミキサーに一石を投じる製品が現れた。

使用方法はSX-Blenderのセンド・リターンループにモノラルエフェクトかステレオエフェクトを配置する事になる…お好きにどうぞだってところだ。ただこうした機器を使用する場合パラレル接続がメインとなると思うので使用する機材がKill DryもしくはFull Wetに出来るものが好ましいと思う。[テストに使用したAmpはBludo Tone]

実験その1 [気になるBuffer…単品検査編]
SX-Blenderを通した音とノーマル音の違いをまずはテスト。回路図を見るとinputしたとたんにBufferを通過するので、SX-Blenderを接続した時と外した時の出音チェックするのにいちいちアンプのスイッチを切ってシールドを抜き差しをしなければならない悪条件だった。なので記憶を維持するのが大変、それでもBuffer特有の音の変化は知っているのである程度なら直ぐに分かる。SX-BlenderのBufferはあのカリカリ・ちりちりした妙な解像度の輪郭と言うよりは極々おとなしい方向へシフトした感じか。ほんのり高域がソフトになる?がぱっと聞きには分からないし、かなり原音に近い音質を保つBuffer回路なのではないだろうか。

さて、今回の実験はすべてSX-Blenderを18V駆動しての実験であった。SX-Blenderは9Vから18V(センターマイナス)で駆動する。当然アンプのセンド・リターンにて使用する際はヘッドルームが多い方が有利な場合があるであろう。
実験は全てGigRig社のGeneratorから中村製作所の電源分配機NS-PD910を通し、GigRig社のDoublerにて18Vへ昇圧して行った。

実験その2 [Ampの全面Input編]
Guitar→input1~send1~Empress Delay(mono接続)~return1R→out putR
EmpressのMixをFullにして返し音だけを出力、Volumeもマックス。これはお見事Send1用のツマミで自在にディレイの深さが調節出来る。左に回しきった時は原音だけが残るし、Full Upしてディレイ音で埋め尽くされても原音がちゃんと聞こえる。これだけの分離感はコンパクトなミキサーではなかなか無いのでは?それとよくあるon/offでのボリュームの違いも無い。理想のミックスに近い。

実験その3 [Ampの全面Input編]
Guitar→SX-Blender input1
~send1~Empress Delay(mono接続)~return1R
~send2~Lexicon MPX1 Reverb(mono接続)~return2R
→out putR→Amp
ストンプ式エフェクターとラックエフェクターのミックスバージョンである。かなりキレイにミックスされた。send1,send2,send3はinputされた後に並列になるのでお互いのエフェクト音が干渉しない。最後のout put付近でミックスされる回路になっている。実験3の場合、Empressのディレイ成分がLexiconのRevebには反映されないし逆も無しって事だ。(高機能なMixerだと各ループのエフェクトを任意に入れ込む事が出来るのだが、そこまでの機能は無い。何が言いたいかかと言うと、ループ1に配置したディレイの残響音にもリバーブをかけられるMixerがあると言う事。しかしそこまでの機能となるとこの筐体に収まらないよね。どうしてもって場合はデラックスなMixer持ち歩くしかないっしょ)なので、原音とディレイの山彦音とリバーブの残響音がout put付近でミックスされて出力されるという事である。ツマミ調整でのエフェクトのかかり方もグッジョブ!! 手軽にパラレルするにはもってこいのMixerではないだろうか。通常はのこ2つのループで十分。かなり美しい音がした。

To Be Continued…

【レビュー2】【レビュー3】

Xotic Stereo X-Blender (1)」への8件のフィードバック

  1. 実験お疲れ様でございます。

    しかし、このきれいな図どうやって作ってるの??
    イラストレーターとかかしら???
    絵心あるよねぇ。。感心!!

    これ現在考えられる最高峰のコンパクトミキサーじゃないでしょうか?

    1:nでしかも2Loop+1ですものね。
    どうしても、Delay後にReverbをかけたければ、DelayのWetをReverbに入れればいいですね。

    旧「松」ボードはそれでした。

  2. >主審さん、おはっす。
    あざーす!!ってまだ試奏だけです(^^;

    イラストはイラストレーターでちょこちょこっと。今までに作った部品を組み合わせて作りました。

    >最高峰のコンパクトミキサー
    そう思いますよね。1:nが素敵すぎます。
    テストですが、あれこれ考えながら、また繋ぎ変えながらは結構大変っす。頭の中だけでなくシールドもこんがらがります(^^;

  3. すんごいですね!
    流石に私とはラベルが違いすぎです。

    最近はエフェクター自体のミキサーまたはブレンドに頼っちゃってます…。

  4. >りっちーさん、ども。
    いやいや、りっちーさんもパラレルワールド突入して下さい。
    パラレルだけでなくいろいろな使い方が出来ますので、このくらいの大きさなら1つくらいミキサーがあっても面白いですよ…って宣伝してる訳ではないですが(^^;

  5. プロトっぽくてかっちょえーっす!

    >極々おとなしい方向
    BUFFER音もいい感じで補正されているようでよさげっす。

    2LOOPって、王道空間系2エフェクト以外の組み合わせでも変なエフェクトが作れるので笑)ひょっとしたら、いろんな可能性があるかもしれませんね。

  6. >やまさん、ども。
    そーなんすよ、見た目プロっぽい筐体っすよね(笑)
    まるっきり違いがないと言うと語弊があるだろうし…表現が難しいです。でもそれくらい違和感はありませんね。
    仰る通りいろいろな可能性は感じますね。

    すんまへん、駄文のうえ長々と…暫く続きますがご勘弁です(^^;

  7. >cont師匠、どもです。
    実は前バージョンは触った事がないんです(^^; 興味はありましたがなかなか見かけなかったですし。
    今まで1:nはなかなか無かったですよね。何故そこに気付かないのか???でした。

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