Xotic Stereo X-Blender (3)

Xotic CustomShop 製ミキサーの レビュー3回目である。今回はちょいと贅沢な使用方などを記する。3回に分けての長々レビューも今回が最後。【レビュー1】【レビュー2】

実験その7(2台のAmpを使ってのステレオ出し)
【5月末に六本木STB139で行われたAllen Hindsのライブ時に確認したアンプ2台によるセット(写真はAllenのボードとステージのセット)で、ステレオ?らしき接続だ。ボードにはちゃんとSX-Blenderが鎮座していた。ループ3は使っていないようだ。ボード写真からはAllenはアンプのセンド・リターンを使っていない感じがする。全ての音色をボードで完結させて、ボード最終段のSX-Blenderからステレオ出力し、クリーンサウンドにメイクしておいたFender Twin ReverbとDr.Zのコンボで受けてステレオサウンドにしていたのではないかと推測。なので以下の実験は少しそれとはニュアンスが違うかもしれない。】

贅沢にも2台のアンプを使ったステレオ出力なのだが、ループの仕方が面白い。Main AmpにはBludo Tone、SubにはFUCHS ODSを使用。

Guitar→Main Amp全面input→Amp Send Out→SX-Blender input1
~send1~Lexicon MPX1
MPX-1からstereoで出力
~Blenderのreturn2(R)へ…→out put(R)→Main Amp Return
~Blenderのreturn2(L)へ…→out put(L)→Sub Amp 全面input

Main Ampのセンド・リターンループへSX-Blenderを配置して、さらにBlenderのループ1へステレオ出力可能なエフェクターを配置、エフェクターからの返りをBlenderのリターンループR・Lに返す、Blenderの左側のR・L出力ををそれぞれMain Ampのリターンへ戻すのと、Sub Ampの全面へ入力する。
つまりSub Ampがスレイブ状態になっていると言う事。Main AmpのトーンがSub Ampに反映される。Subのプリアンプを通過するのでまったく一緒と言う訳ではないけどね。リバーブの成分がMainが(R)・Subが(L)となっているのでステレオサウンドになると言う訳だ。今までに聴いた事がないようなサウンドだった。

 

実験その8 [取説に載っていた3ch編]

これもならではの接続方法だろう。パワードはJBL510を使用。JBLへはMackie ONYX1620から出力。

Guitar→Amp全面input→Amp Send Out→SX-Blender input1
~send2→Amp Return
~send1~Lexicon MPX1
MPX-1からstereoで出力
~Blenderのreturn2(R)へ…→out put(R)→Powered Monitor R
~Blenderのreturn2(L)へ…→out put(L)→Powered Monitor L

Reverbのみだったのだが空間系は非常にゴージャスな音色であった。ただどういう訳かアンプの歪みチャンネルも、アンプ前段のODも今までのループとは違い荒いスカスカな感じ(破れたスピーカーから出るような)の音色になってしまった。自分のアンプだけかもしれないが、自分としてはこの方法は使えない。あまり理解してる訳ではないがSX-Blenderにinputされた直下とループ2と2度Bufferを通るためなのかなぁと想像…ただBufferを何度も通るケースというのは結構あるしな…その場所がセンド・リターンというデリケートな場所だからなのかもしれない。

3回に分けるようなテスト内容ではなかったが、備忘録なのでご勘弁。今まで使用してきたブレンド・ミキサーの中では間違いなく最高峰!!
全ての接続方法ででうまくいく訳では無いと思うが、他機種より格段に守備範囲が広いし、原音の変化も少ない。なにより原音:エフェクト音=1:nでしかもそれが2系統(on/off時にVolumeの差が出ない)&ステレオ出力までカバーする。とにかくこの音量問題が解決出来るというのは最高なのである…今までこれでどれくらい苦しめられたことか。

残念なのはループ3を使ったアイディアがとうとう思い浮かばなかったこと(^^; 自分としてはループ3も1・2と同じような仕様にしてくれていればありがたかった。

【レビュー1】【レビュー2】

【追記】
メーカー様よりループ3についてご連絡頂きました。
「3つのパラレルループを同時に使う人は稀なので、外部のラック機材等を繋げられるように補助的に3つのループが設けてあります。3つ目はスペース的に、オン/オフやミックスノブを設けるのに制限があるので、必然的に固定のミックスになっています。」
との事であります。ご情報感謝でございます。

今回のレビューをするにあたり快く機材貸し出しのご協力を頂きましたTone Blue様にはこの場を借りまして感謝申し上げます。

 

Xotic Stereo X-Blender (3)」への2件のフィードバック

  1. いやいや、詳細なレポート素晴らしいです。
    実験その8は例の信号のレベルの問題の様な気がします。
    予想ですが、センド・リターンの信号はプリを通っているので、それをミキサーに入れて更にパワードに行くときのミキサーでの受けはマイクで受けるレベルではなくラインレベルになるんでしょうか?

    そのあたりの設定のような気もします。

    確かにRoop3は謎ですね。(笑)

    貴重なれぽでした。お疲れ様でした。
    なんかいい使い方があるのかも?

  2. >主審さん、おはっす。
    いやいやいや、ただただだらだらと(^^; 
    実験8ですか…直接パワードへ送っても良かったんですけど、配線が面倒になってしまい常時接続されているミキサーへ入れちゃいました。
    Mackieにはインスト/マイクを切り替えられるチャンネルが複数ありますし、インプット・レベルも適正にしたつもりなんですよ。
    取説に載っていた接続法なので無理なループではないと思いますが、自分の環境ではだめだったって事でしょうね。
    仮に入手するような事があれば、このあたりもう一度検証したいです。

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